症状にお困りの方へ急性ストレス反応

急性ストレス反応とは
急性ストレス反応(Acute Stress Reaction)は、強い精神的ショックを受けた直後に起こる一時的な心身の不調で、通常は数日から1か月以内に自然に軽快します。
災害や事故、暴力などの外傷的体験がきっかけとなり、心と体が過剰に反応する状態です。急性ストレス反応は、命の危険を感じるような出来事の直後に現れる、強いストレスによる一過性の精神的・身体的反応です。
この反応は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の前段階とも言われ、症状が1か月以上続く場合はPTSDと診断されることもあります。
主な症状
精神的な反応
- 強い不安、混乱、恐怖、怒り、絶望感
- 現実感の喪失(自分が自分でないように感じる)
- フラッシュバックや悪夢
- 記憶の一部が抜け落ちる(健忘)
- 注意力の低下、時間や場所の感覚の喪失(失見当)
身体的な反応
- 動悸、息苦しさ、震え
- 胃腸の不調、発汗、筋肉のこわばり
- 過活動または引きこもり
これらの症状は、ストレスの直後から数分〜数時間以内に現れ、通常は数日〜数週間で軽快します。
周囲の理解と支援
急性ストレス反応は、誰にでも起こり得る自然な防御反応です。
「気のせい」や「弱さ」ではなく、心が命を守ろうとする働きのひとつです。
支援のポイント
- 安全な環境を整える(静かな場所、安心できる人のそば)
- 無理に話させず、本人のペースを尊重する
- 必要に応じて医療機関や専門家に相談する
- 症状が長引く場合はPTSDへの移行も考慮し、早めの対応が大切