症状にお困りの方へ自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)とは
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、生まれつきの脳の特性によって、対人関係やコミュニケーション、こだわり行動などに困難が生じる発達障害のひとつです。
「スペクトラム」という言葉が示すように、症状の現れ方や程度は人によって大きく異なります。
ASD(Autism Spectrum Disorder)は、以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などに分類されていましたが、現在はこれらを含めて「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれています。
脳の情報処理の仕方に特性があり、できることと苦手なことにばらつきがあるのが特徴です。
主な症状
社会的コミュニケーションの困難
- 表情や言葉のニュアンスを読み取るのが難しい
- 会話のキャッチボールが苦手
- 相手の気持ちに気づきにくい
こだわりや感覚の特性
- 興味の対象が偏っている(電車、数字、昆虫など)
- 同じ行動を繰り返す(手をひらひらさせる、並べる)
- 音や光、触覚に敏感または鈍感
その他
- 幼少期から兆候が見られることが多い
- 知的障害や言語発達の遅れを伴う場合もあるが、そうでないケースもある
- 得意分野では高い能力を発揮することもある(いわゆる“博士タイプ”)
周囲の理解と支援
ASDは「育て方」や「性格」の問題ではなく、脳の働き方の違いによるものです。
本人の困りごとは目に見えにくく、誤解されやすいため、周囲の理解がとても重要です。
支援のポイント
- 明確で具体的な指示や説明を心がける
- 感覚過敏への配慮(音・光・触覚など)
- 得意なことを活かせる環境づくり
- 本人のペースを尊重し、安心できる関係性を築く