症状にお困りの方へ月経前症候群（PMS）

月経前症候群（PMS）とは

月経前症候群（PMS）は、生理の3〜10日前にこころとからだに不調が現れ、生理開始とともに軽快する女性特有の症状です。
日本人女性の約70〜80％が何らかのPMS症状を経験しており、約5％は日常生活に支障をきたすほどの重症型（PMDD）に悩まされています。
PMS（Premenstrual Syndrome）は、女性ホルモンの変動によって引き起こされる心身の不調です。
排卵後から月経開始までの「黄体期」に、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンが急激に低下することで、脳内の神経伝達物質（セロトニンなど）のバランスが乱れ、症状が現れると考えられています。

主な症状

こころの症状

• イライラ、情緒不安定
• 気分の落ち込み、不安感
• 集中力の低下、睡眠障害

からだの症状

• 頭痛、腹痛、腰痛、乳房の張り
• むくみ、倦怠感、食欲の変化
• のぼせ、便秘、めまい

症状の強さや種類は人によって異なり、精神症状が特に強い場合は「月経前不快気分障害（PMDD）」と診断されることもあります。

周囲の理解と支援

PMSは「気のせい」や「わがまま」と誤解されがちですが、本人にとっては毎月繰り返される深刻な不調です。

支援のポイント

• 症状を否定せず、話を聞く姿勢を持つ
• 無理をさせず、休養や環境調整を促す
• 症状日誌などで傾向を把握し、婦人科への相談を勧める
• ホルモン療法、漢方、生活習慣の見直しなど多様な対処法があることを伝える